7対3問題&懇談会

7対3問題

先日、先輩会員が転職の為退会致しました。その際、心残りが有るとすれば、同志が何人もやめていくきっかけとなった『概ね7対3問題』であり、これを法制化できなかったことが、こんにちの歯科技工士の経済状況にあるとのことでした。

現在の状況として、『直接請求』や、『制作料の法制化』にはかなりハードルが高いと思われます。今後それらがあまり期待できないのであれば、今現在の法解釈を改め、「製作者が概ね7割を国から頂く権利が認められている」と言う認識に歯科技工士、歯科医師また一般社会等に周知徹底していくほうが良いのではないかと思われますが、お考えをお聞かせください。

※「概ね7対3問題」、は本会では特に議論されておらず、市場に任せる立場であり、ましてや「直接請求」「制作技工料の法制化」となる法改正が必要となり、かなりハードルが高く現実的ではないとの見方。

今年度をもって、青森県の歯科技工士専門学校が生徒の募集停止を発表致しました。来年度以降、東北では歯科技工士の養成機関が、宮城県に2校、福島県に1校の3校のみとなります。ちなみに今年度、東北地方では32名の資格取得者がありました。

本県も毎年5~8名程度の退職・離職・廃業が出ています。今後、ますます歯科技工士不足が加速していくと思われますが、国として歯科補綴物の供給を国民に対して充分に提供できなくなる恐れがあるとの認識はどの程度あるのでしょうか?CAD/CAMなどの機械化が進むとは言え、資格保有者が少なくなれば、需要と供給のバランスが崩れる懸念があります。

とは言え技工料金が確実に価格に転嫁されている雰囲気はあまり感じられませんし、学校が減少していく今、歯科技工士を目指す若者が増えていくことも考えづらく、こういった現状を、日本としてはどのようにお考えか今後の展望も踏まえてお聞かせください。

※本会としては、数値から見て本当に歯科技工士数が減少しているようには思えず、少子化等の影響もあり、どの業界に於いても人手不足はあり自然淘汰されているのが妥当と考える。学校の教育期間延長化においても、現在約50校あるなか、歯科医師会立の技工学校も多数あり、教育年限延長を認めていただくにはかなり難しい状況であります。

歯科技工士の数的変化

  • 歯科技工士は歯科技工所を開設できる。
  • 歯科技工物の技工料金は健康保険点数には該当しない
  • 歯科技工士不足は、認識されていない。
  • 歯科技工士学校には生徒が集まらない。
    (教育年限延長するにも人がいない。)
  • 歯科技工士専門学校が次々と閉鎖されている。
  • 一度閉鎖された機関は、再生に10年間程度必要と言われる。
  • 歯科技工物は歯科医師に手渡されると、歯科補綴物と名前が変わる。
  • 歯科技工物には保険点数が設定されない、歯科補綴物には保険点数が設定されている、歯科技工制作のものはすべて自由価格である。
  • 保険点数が低いと言う理由で値上げには応じない場合が多い。
    (補綴物は、制作・材料・装着・調整など多くの要素を含むが、歯科技工士は制作料の一部で料金を設定しているにすぎない。)
  • 受注関係で価格交渉は困難である。
  • 歯科技工士の収入増は数量を多く制作することに限定され、質より量をとらざるを得ない状態となるので、必然的に質の低下を招く事となる。